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頭痛コラム

頭痛の症状・疾患

  • 風邪後に頭痛だけが治らない

    風邪後に頭痛だけが治らない?医師が教える原因と見分け方

     

    風邪は治ったのに「頭痛だけがなかなか治らない」「他の症状は消えたのに頭が重い」と感じていませんか?

    この記事では、風邪後に頭痛だけが残る主な原因やセルフチェック方法、医療機関を受診すべきサインを医師監修で分かりやすく解説します。医学的根拠に基づく情報で「自分は大丈夫か」「いつ病院へ行くべきか」がすぐ分かります。

     

    風邪後に頭痛だけが治らない

     

    風邪自体による頭痛とは?

    風邪を引くと、ウイルスを攻撃するために免疫が働きます。この際に、炎症性サイトカインという物質が体内で作られ、脳の血管や神経を刺激するために頭痛を引き起こします。

    発熱や倦怠感など他の風邪の症状も、この炎症性サイトカインによるものです。したがって、風邪の症状が治まり炎症性サイトカインが減ってくれば、自然と頭痛も治まってきます。

     

    風邪後に頭痛だけが治らない主な原因

    風邪が治った後も頭痛が続くのは、実は珍しいことではありません。その理由はさまざまで、日常の生活習慣から重大な疾患まで多くの要因が関係しています。

    1. 体内の炎症反応や回復遅延によるもの

    風邪が治る過程で体内の炎症反応が完全に収まらず、頭痛だけが遅れて残ることがあります。また、風邪による体力消耗・睡眠不足・脱水・栄養不足なども、回復を妨げて頭痛を長引かせる原因です。

    • 風邪症状の中で頭痛は最後まで残りやすい
    • 体力低下や睡眠不足が続くと頭痛も改善しにくい
    • 水分・栄養が不足しているとさらに悪化する

     

    2. 副鼻腔炎による頭痛

    風邪の後、副鼻腔(鼻の奥の空洞)に炎症が残ると「副鼻腔炎(蓄膿症)」を発症し、頭痛や顔面痛が続くことがあります。特徴的な症状は以下の通りです。

    • 額や頬、目の奥がズーンと重い痛み
    • 朝起きた時や頭を下に向けた時に痛みが強くなる
    • 鼻づまり・黄色い鼻水・顔面の圧迫感を伴う

     

    風邪による粘膜の炎症により副鼻腔の粘液の排出が妨げられるため、細菌感染を生じやすくなります。1)

     

    3. 片頭痛の悪化・慢性化

    もともと片頭痛を持っている人は、風邪をきっかけに頭痛が慢性化・悪化しやすい傾向があります。風邪による炎症により、脳血管の拡張をきたしやすくなったり、生活リズムの変化が誘因となり、普段より強い頭痛が続くこともあります。

     

    4. 薬剤性頭痛(薬の使いすぎ)

    風邪薬や頭痛薬を長期間・頻繁に使用すると、かえって頭痛が治りにくくなる薬物乱用頭痛を引き起こすことがあります。市販薬は短期間・用法を守って使い、改善しない場合は医師に相談しましょう。

     

    5. 中耳炎

    風邪の後に中耳に炎症が残り、頭痛と耳の痛み、さらに、聴力低下を起こすことがあります。2)

     

    6. 可逆性脳血管攣縮症候群

    脳動脈の過剰な収縮で起こる強い頭痛で、後頭部や頭全体の痛みのことが多い傾向があります。また、風邪の症状としての咳やくしゃみが誘因となる事があります。さらに、脳梗塞を合併したり、くも膜下出血を合併したりする事もあります。

     

    7. 髄膜炎

    風邪症状の後に強い頭痛が1週間以上続く場合、特に注意が必要です。髄膜炎はウイルスや細菌、真菌などが脳の周りの髄膜に炎症を起こす病気です。

    風邪の場合と同様、炎症性サイトカインが頭痛に関係しますが、髄膜炎ではウイルスや細菌自体が頭蓋内に侵入する事でさらに障害を及ぼします。

    風邪後に頭痛だけが治らない

    症状は以下の通りです。

    • 高熱
    • 頭を動かしたり振ったりすると痛みが強い
    • 首の痛みや硬さ
    • 吐き気や嘔吐
    • 意識の障害
    • けいれん

    特に、細菌性髄膜炎は致死率が約20%と高く、また、助かったとしても重い後遺症が残る事があります。したがって、風邪で頭痛だけ治らない場合、最も危険な病気と言えるでしょう。3)4)

    風邪が治ったと思った1週間後から、熱とともに首が動かしづらくなり、強い頭痛が続く場合は注意が必要です。

     

    風邪の頭痛と髄膜炎の違い

    項目 風邪の頭痛 ウイルス性髄膜炎
    痛みの強さ 軽〜中等度で我慢できる 非常に強く、生活困難レベル
    痛みの性質 重い・ズキズキする痛み 締め付け感が強く、動くと悪化
    発熱 微熱〜38℃前後 38〜40℃の高熱
    首の症状 首こり程度で、曲げられる 首を曲げると強い痛み
    神経症状 特に目立たない 光過敏・吐き気・意識の変化など
    悪化のスピード ゆっくり出現し、徐々に改善 短時間で急激に悪化
    市販薬の反応 解熱鎮痛薬で改善しやすい ほとんど改善しない
    全身状態 つらいが日常動作は可能 ぐったりして動けない

     

    危険な髄膜炎をチェックする方法

    「風邪の頭痛なのか、危険な髄膜炎なのか」を自分である程度見分ける方法として、救急現場でも使われる「Jolt Accentuation(ジョルト・アクセントゥエーション)」という方法があります。

    Jolt Accentuation のやり方

    1. リラックスして正面を向きます。
    2. 首を左右に、1秒間に2~3回の速さで「イヤイヤ」をするように振ります。
    3. この動作で頭痛が明らかに悪化する場合は「陽性」です。

     

    頭を振ると痛い原因

     

    このチェックの信頼性は?

    この試験の感度(病気がある人を正しく「陽性」と判定する確率)は、97%以上と報告されています。(出典:T Uchihara, H Tsukagoshi. Jolt accentuation of headache: the most sensitive sign of CSF pleocytosis. Headache . 1991 Mar;31(3):167-71.”) つまり、医学的には「頭を振っても痛みが強くならないなら、髄膜炎の可能性はかなり低い」と判断する重要な根拠となります。 ※ただし、100%ではないため、不安な場合は必ず医師の診察を受けてください。

     

    医療機関を受診すべき目安

    以下のような場合、早めに専門医を受診することをお勧めします。

    • 風邪と診断された後も頭痛が4日以上続く場合
    • 頭痛が強くなったり、性質が変わったりする場合
    • 今までに経験したことのないような激しい頭痛
    • 突然発症した強い頭痛(特に後頭部から首にかけて広がる痛み)
    • 意識障害、吐き気・嘔吐、発熱、首の硬さがある
    • 視力障害や言語障害がある

     

    よくある質問(Q&A)

    Q1. 市販薬だけで治りますか?

    A1. 一時的に頭痛が和らぐ事はありますが、長引く場合や症状が強い場合は市販薬だけに頼らず、医療機関を受診しましょう。特に、頭痛の性質が変わったり、他の症状を伴う場合は注意が必要です。

    Q2. 子どもや高齢者の場合はどうしたらいいですか?

    A2. 子どもや高齢者は症状が重症化しやすい傾向があります。頭痛が長引く、普段と様子が違う、他の症状(嘔吐・意識障害など)がある場合は、早めに受診しましょう。

    Q3. 頭痛以外の症状が出た場合は?

    A3. 吐き気や嘔吐、意識障害、手足のしびれ、視覚・言語障害などが出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。重篤な疾患の可能性があります。

    Q4. 頭痛が何日続いたら受診すべきですか?

    A4. 一般的な風邪後の頭痛は数日で改善することが多いですが、4日以上続く場合や、痛みが強くなる・性質が変わる場合は受診をお勧めします。

    Q5. 風邪薬や頭痛薬を長期間使っても大丈夫ですか?

    A5. 頭痛薬の連用は「薬物乱用頭痛」を引き起こすことがあります。市販薬は短期間・用法を守って使い、改善しない場合は医師に相談しましょう。

     

    参考

    この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。

    理事長 丹羽 直樹
    理事長 丹羽 直樹
    【資格】
    日本神経学会神経内科専門医・指導医
    日本頭痛学会専門医・指導医
    日本脳卒中学会専門医
    日本内科学会認定内科医
    身体障害者福祉法指定医
    (肢体不自由、平衡機能障害、音声機能・言語機能障害、そしゃく機能障害、膀胱直腸機能障害)

    【略歴】
    1988年3月 千葉大学医学部卒業
    1989年10月 松戸市立病院 救急部
    1994年10月 七沢リハビリテーション病院
    2002年4月 沼津市立病院 神経内科
    2002年11月 長池脳神経内科開設
    2012年11月 横浜脳神経内科開設